気温や気象が及ぼす人体への影響

四季の中でも、特に冬は体温が下がり免疫力や抵抗力が下がり、病院に診察に行く回数も増える季節です。人が、こういった季節や気象特有の影響を大きく受けることを、看護する者は熟知しそれに対処しておかねばなりません。

人の不調が一番多いのが季節の変わり目に多いぐずぐず天気。梅雨場の様に雨が多くなり湿気が多くなることで関節が痛んだり腰痛に悩まされたりします。乾燥する冬場は特に風邪やインフルエンザなどのウイルス性の病気が増えてきます。さらに急に寒くなることで心筋梗塞の発生率も高くなります。

これと同じように梅雨の時期の晴れ間には急性虫垂炎の患者が増えることも知られているそうです。

気温や気圧の変化は我々の身体にストレスを与え、さまざまな病気発生のリスクを高め増幅させたりと影響は大きくなります。
このように季節に発症する病気を気象病と言ったり季節病と呼んだりします。例えば朝から曇りの日だと、なんとなく頭が重かったり、身体がだるくて起きられなかったりという症状が出たりします。

気象病という言い方は正式な病名ではなく、外的要因の変化で環境や温度に適合しにくい高齢者や子供などに対してこういう言葉を使うことがあります。こうした気象と病気の関係を研究する学問を「生気象学」と呼びます。

この研究から脳出血は特に冬に多く発生すると言われており、クモ膜下出血は女性に多く、中でも秋から冬にかけて頻繁に発生するなどと言われています。

そして、看護師が知っておくべき冬の病気をもう一つ。気温の変化は人の身体に思わぬ影響を与えています。
「気温が下がると血圧が上昇する」と言われています。これは血管に柔軟性のある若者は気温が下がってもそれに対応することができますが、動脈硬化がある高齢者は血管が拡張しにくく元の血圧にもどりにくくなり、高血圧による脳心血管が起こりやすくなると言われています。

さらに気温の変化は人の自立神経にも影響を及ぼしています。そうしたことから、冬には心筋梗塞や脳卒中、肺炎や気管支炎、結核やインフルエンザ、関節リュウマチや神経痛などに注意が必要だと呼びかける人もいます。

このような季節ごとの病気を熟知し、今後の看護ケアや病気予防のアドバイスに活かしてみてくださいね。